プロが解説｜屋根材の重要性を探る《第2回：化粧スレートの代名詞・カラーベストシリーズの魅力に迫る！》
良い屋根材選びは、安心・安全な住宅を建てるための必須項目です。
激しい風雨や紫外線などから、長年に渡り住宅を守ってくれる頼もしい存在の屋根。そして、屋根の品質や性能が悪ければ、経年劣化による “雨漏りの懸念” や “断熱・遮熱性能の低下”、“色褪せが招く住宅そのものの印象の悪化”、さらには “耐震性の低下” という様々な弊害を誘発します。だからこそ、安心して長く住める住宅を創出する上で、屋根材選びはとても重要なポイントになってくるんです。
というワケで前回に引き続き、今回も屋根材のイロハを徹底レクチャー。現在の新築住宅に採用されている屋根材の主流になっている【化粧スレート】の魅力を再確認しつつ、化粧スレートの代名詞と謳われているケイミュー『カラーベスト』シリーズの魅力に迫ります！
↓前回の記事はコチラ！
まずは現在の新築住宅における “シェアNo.1” を獲得している優れた屋根材、【化粧スレート】のおさらいから！
軽量で丈夫な金属系屋根材の代表格である「ガルバリウム鋼板」や、ガルバリウム鋼板の弱点を補う屋根材と謳われている「ジンカリウム鋼板」、さらに古くから使われている伝統的な「陶器瓦（粘土瓦）」に加え、海外で高い支持を受けている「アスファルトシングル」、そして少ないながらも存在している「セメント・コンクリート瓦」や「トタン」等の屋根材。そんな数ある屋根材の中で、現在の新築住宅における採用率が最も高い推奨マテリアルとなっているのが、【化粧スレート】と呼ばれる屋根材です。
セメントに合成繊維素材を混ぜて板状に加工整形しつつ、ペイントやコーティング処理を施してフィニッシュした【化粧スレート】は、『カラーベスト』や『コロニアル』などといったシリーズ名や製品名（※）で直接呼ばれることも多く、定番である平型はもちろんのこと、複雑なスリットやエンボスが刻まれたタイプ、さらに波型や瓦型など、デザインの多彩さには目を見張るものがあります。また、カラーバリエーションも豊富なため、“どんな形状の建物にもマッチングさせやすい” という大きなメリットも持っています。加えて、「陶器瓦（粘土瓦）」などと比べて重量も軽いため住宅そのものの耐震性が向上し、結果として地震に強い建物を創出することが可能になります。断熱性や防音・遮音性においても高い性能を発揮し、美観を保つための様々なテクノロジーも積極的に導入されている【化粧スレート】。耐用年数も比較的長いので、メンテナンス費用を抑えられる部分も優れた特徴と言えますね！
※今年で60周年を迎えた『カラーベスト』は、屋根材や外壁材のトップブランドである “ケイミュー” がリリースしている歴史ある【化粧スレート】屋根材のシリーズ名。そして『コロニアル』は、同シリーズの中で高い人気を誇るベストセラーモデル。長きに渡り培われた信頼性と性能から、このように【化粧スレート】のことを直接シリーズ名や製品名で呼ぶケースが増えたと考えられます。
●化粧スレートのメリット
・優れたデザイン性や豊富なカラーバリエーション
・製品精度が高く、品質も安定している
・施工がしやすく施工費用も比較的リーズナブル
・天然スレートや陶器瓦（粘土瓦）などと比べ軽量なため、耐震性に優れた住宅を創出できる
・断熱性や防音、遮音性が高い
・美観を保つための様々なテクノロジーが導入され、耐用年数が長い製品も多い
●化粧スレートのデメリット
・薄く軽量なため、他の屋根材と比べると衝撃に弱い
・経年劣化による防水性の低下を補うため、将来的には再塗装などのメンテナンスが必要となる
60周年を迎えた【化粧スレート】屋根材の名品、ケイミュー『カラーベスト』＆『コロニアル』!!
軽量でありながら断熱性や防音・遮音性に優れ、デザインやカラーバリエーションの自由度も高い【化粧スレート】ならではのポテンシャルに着目し、1960年（昭和35年）、いち早く製品開発や製造に着手した久保田建材工業株式会社（クボタグループの住宅建材事業部門）。当初はカラーベスト・シングルと呼ばれていた外壁材をメインに屋根材のコロニアルを製造・販売していましたが、昭和40年代に突入するとコロニアルのデザイン性や性能が高く評価され始め、瞬く間に多くのシェアを獲得！ やがては屋根材のトップブランドとして、不動の地位を確立していきます。
伝統的な「陶器瓦（粘土瓦）」に代わる新しい屋根材として産声を上げた【化粧スレート】の名品『カラーベスト 』や『コロニアル』。現在ではクボタグループと松下電工（現：パナソニック）が統合設立した住宅建材事業会社である “ケイミュー株式会社” が製品の企画開発から製造・販売までをトータルで展開しているワケですが、長い歴史の中で培われてきた多くのノウハウや高い信頼性は本物。徹底した品質管理や最新の美観テクノロジーも積極的に導入し、今もなお進化をし続けるケイミューの化粧スレート『カラーベスト』シリーズ。現在最も信頼のおける、“屋根材のマストアイテム” と言うべき存在でしょう！
『カラーベスト 』シリーズの優れた特徴にズームイン！
軽い｜素材自体が軽量なので、住宅そのものの耐震性が向上！
建物の最上部に位置する屋根の軽量化は、安心・安全な住宅を創出する上では必須項目となりますが、伝統的な「陶器瓦（粘土瓦）」や「セメント・コンクリート瓦」などはどうしても素材そのものが重くなってしまうため、建物自体の重量が大幅に増加してしまいます。そして、最上部の屋根が重いと建物の重心自体も自然と高くなってしまう・・・。当然ではありますが、建物の重量が増すと耐震性は低下し、重心が高くなってしまうと地震発生時の揺れ幅は増幅します。ゆえに地震大国である日本では、特に “軽量な屋根材” に対する需要が高いというワケですね。
なお、ケイミュー『カラーベスト』シリーズの屋根材は、一般的な「陶器瓦（粘土瓦）」中でも軽量な “平板タイプ” と比較しても、その重量は “1／2程度” という軽量さを実現。地震に強く、安心・安全なお住まい造りに貢献します♪
強い｜耐久性や耐荷重性、耐衝撃性ともに優秀なデータを確立！
『カラーベスト』シリーズに代表される【化粧スレート】屋根材は、セメントに合成繊維素材を混ぜて板状に加工整形しつつ、ペイントやコーティング処理を施して製造されます。ちなみに『カラーベスト』シリーズに採用されている “ハイパー・ドライ製法” はケイミュー独自の製造方法で、オートクレーブ養生などを含めた基材の形成時に「最小限の水分しか供給しない」という部分が最大の特徴。これにより基材の密度が飛躍的に向上し、長期間に渡る優れた強度と寸法安定性を実現しているワケですね！
また、基材の密度の高さはそのまま “吸水率の低さ” にも直結。湿度や温度変化による影響を極めて受けにくく、水分の浸透による膨張や蒸発による伸縮等もほとんど発生しません。ちなみに屋根の施工を終えて35年が経過した住宅でJIS規格に基づいた「曲げ破壊荷重調査」を実施したところ、屋根材の形状や強度に大きな変化は見られず、基材は施工時同様の安定した強度や性能をキープ。高い耐久性や耐候性、耐荷重性を立証しています。さらに、基材の上に鉄球を落下させる「耐衝撃性試験（※）」においても、基材の表面に破損やクラック、陥没などの損傷や痕跡はナシ！
軽く強くあるべきという “屋根材に求められる基本要素” を徹底追求してきたことで、これまでに多くの信頼を獲得してきた『カラーベスト』シリーズ。実際に数々のテストデータを見てみると、そのポテンシャルの高さは納得です♪
※耐衝撃性試験で実際に使用された鉄球の重量は530g。50㎝の高さから自然落下させて「基材表面の状態を確認する」というテスト内容です。
美しい｜耐候性が高く、経年変化による色褪せ等も防止するグラッサコート！
三陽工務店の「AQUA SMART（アクア スマート）」グレードでも標準仕様になっている『カラーベスト』のコロニアルグラッサを始め、『カラーベスト』の全グラッサシリーズには、紫外線や経年変化の影響に強い独自の無機系塗膜 “グラッサコート” が採用されています。トップコーティングとして施したこの “グラッサコート層” を筆頭に、美しい天然石に釉薬処理を施した “無機彩石層” 、そして無機顔料を配合した “無機化粧層” と強固な3層構造とすることで、『カラーベスト』シリーズならではの美しい色彩を、より長期間に渡り維持し続けます。
また、耐候性は紫外線の照射と散水を組み合わせた過酷な「超促進耐候性試験（メタルウェザー試験）」を実施して、“30年相当の時間を経過させても色彩変化がほとんど見られなかった” という好データを樹立。新品の美しい色彩や艶やかさ、質感等が30年後もそのままだなんて、本当に素晴らしいですね！
〜まとめのお話〜
“優れたデザイン性や豊富なカラーバリエーション”、“製品精度が高く、品質も安定している”、“施工がしやすく施工費用も比較的リーズナブル”、“軽量なため住宅の耐震性が向上する”、“断熱性や防音、遮音性が高い”、“美観を保つための様々なテクノロジーが導入され、耐用年数が長い製品も多い” 等の多くのメリットを有し、現在の新築住宅において「シェアNo.1」になっている屋根材【化粧スレート】。そのパイオニア的存在であり、現在もリードし続けているケイミューの『カラーベスト』シリーズは、性能・美観・信頼性・テクノロジー共に群を抜いていますね！
激しい風雨や紫外線などから、長年に渡り住宅を守ってくれる頼もしい存在の屋根だからこそ、間違いのない製品を選びたい・・・。三陽工務店が自信を持ってお勧めするケイミューの『カラーベスト』シリーズ。さらなる魅力や詳細は、下記のメーカーホームページからご覧下さいね☆
◎参考ホームページ＆画像協力／ケイミュー株式会社
https://www.kmew.co.jp/
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