プロが解説|床に使用する木材の種類と無垢床のススメ《第1回:一般的な複合フローリング材と無垢床の違いとは!?》

フローリング材の種類と特徴は?  それぞれのメリット&デメリットを徹底解説!

床材の代表格というと、まず頭に浮かぶのが「フローリング材」ではないでしょうか。見た目の印象はもちろん、風合いや肌触り、さらに断熱性や防音性に至るまで、床材は住宅そのものの “住み心地” や “快適性” をも左右する重要な要素。この機会にそれぞれの特徴をしっかり把握して、理想のインテリアを創出しちゃいましょう!
というワケで、ここからは床に使用する木材の種類と無垢床の優位性を徹底解説。連載1回目となる今回は、一般的なフローリング材と無垢床の違いについてレクチャーさせていただきます☆

一般的な【複合(複層)フローリング材】/複層合板・集成合板・化粧シート合板等

【複合(複層)フローリング材】とは、複数の薄い木材板を組み合わせて接着し、1枚の板状の素材とする「複層合板」のことを指します。また、MDF(ミディアム・デンシティ・ファイバーボード)などの集成材をベースに、表面のみ薄い木材板を接着して仕上げられた「集成合板」や、表面に精細な木調プリントを施した化粧板をあしらった「化粧シート合板」なども総称して複合フローリング材と呼ばれます。一般的なフローリング材として多種多様なタイプが幅広く流通し、アパートやマンション、建売り住宅や商業店舗など、多くの住宅や施設で採用されています。

●複合(複層)フローリング材のメリット

・品質や仕上がりが均一で、施工性に優れている
・価格幅は広いが、一般的には低価格帯の製品が多い
・表面が硬質なタイプが多く、傷や凹みに強い
・撥水加工が施されている製品などはメンテナンス性が高い

●複合(複層)フローリング材のデメリット

・肌触りが硬質で自然な温もり感は希薄
・大量の接着剤やファイバー樹脂を使用しているので、ホルムアルデヒドを始めとした有害物質の発生源となってしまう
・貼り合わせ時に使用されている接着剤の劣化により寿命が短い(10〜20年程度と言われています)
・快適な湿度に貢献するような “調湿効果” はない

 

【無垢(単層)フローリング材】/無垢床

いわゆる無垢床に使用される【無垢(単層)フローリング材】とは、混じり気のない天然木100%の木材(無垢材)を使用している床材のことで、長い歴史を重ねてきた “木” 本来が持つ自然の魅力や、1つとして同じ模様が存在しない豊かな表情、さらに体に優しく温もりのある風合いで人気を呼んでいる優れた高級床材です。松科の針葉樹を代表するパインを始め、ウォールナットやチーク、メープルやオーク、さらに杉や檜木に桜など、様々な天然木が床材として切り出され、接着剤を使用しない(※あるいはごく少量のみ限定的に使用する)オーガニックな製法で床板として加工されます。
天然木ならではの温もりや重厚な風合い、体に優しいナチュラルな素材感が堪能できる逸品となっています。

●無垢(単層)フローリング材のメリット

・天然木ならではの温かみのある風合いや上質な質感
・経年変化により美しさを増す 、素材としての味わい深さ
・熱伝導率が穏やかで “断熱効果” がある
・快適な湿度に貢献する “調湿効果” がある
・接着剤やファイバー樹脂などの化学物質を使用しない、あるいはごく少量のみ限定的に使用しているだけなので、ホルムアルデヒド等の有害物質を発生せず体に優しい
・床材としての寿命が非常に長い

●無垢(単層)フローリング材のデメリット

・天然素材なので傷や凹みがつきやすい
・合板系の複合(複層)フローリング材と比較すると価格帯が高め
・取り扱いには技術と経験が必要なため、施工実績の豊富な注文住宅専門の工務店やハウスメーカー以外には発注しにくい

 

〜まとめのお話〜

複数の薄い木材板を組み合わせて接着し、仕上げに0.32㎜厚に削いだ化粧板やプリントシートを表面にあしらう一般的な【複合(複層)フローリング材】は確かに安価でお手頃ではありますが、反面、「風合いや肌触りで無垢床に劣る」、「有害物質の発生源となり得る」、「接着剤の劣化で素材そのものの寿命が短い」という大きなデメリットを持っています。
これに対して【無垢(単層)フローリング材】となる無垢床は、天然素材なので傷や凹みが付きやすい、【複合(複層)フローリング材】と比べて価格が高め、施工が難しいといったデメリットを有していますが、「天然木ならではの、温かみのある風合いや上質な質感を楽しめる」ことや「素材としての味わい深さを堪能できる」部分、「断熱効果や調湿効果がある」、「ホルムアルデヒド等の有害物質を発生せず体に優しい」、「素材そのものの寿命が非常に長い」など、些少なデメリットを大きく上回る、数多くの優れたメリットを持っています。また、気になるデメリットに関しても、「傷や凹みも10年経てば家の歴史。いい思い出になるさ♪」、「価格については、得られるメリットを考えればむしろ得!」、「取り扱いの難しさだって、施工経験が豊富で信頼できる、注文住宅専門の工務店に頼めば問題ナシ!!」と、これくらい大らかに考えてしまえば何ら支障はありません。

最後に今回の結論ですが、無垢床にはそれだけの “魅力” と “価値” があります。もちろん一般的なフローリング材でも構いませんが、リビングや寝室、子供部屋くらいは無垢床の導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。

■次回はさらなる “無垢床の魅力” をクローズアップ! 皆様どうぞ、ぜひお楽しみ下さい☆

◎参考ホームページ/ウッドワン
https://www.woodone.co.jp/

 

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